米国債暴落説について考える。



トランプ政権が誕生して2年ほど経過としていますが、米国債暴落がささやかれることが多くなりました。

なぜ、そのようなことが言われるというと、トランプ氏が、1980年代に大統領であったレーガンの政策に似ており、その時に、アメリカは、経常収支と財政が両方大きな赤字になり「双子の赤字」になり金利が上昇している経緯等があるからです。

 

双子の赤字とは。

ロナルド・W.レーガン大統領は 1980年代,歳出削減,大幅減税,規制緩和,マネー・サプライ(通貨供給量)の抑制を基本としたレーガノミクスによって経済の活性化をはかり,強いアメリカの再現を目指した。この政策によりスタグフレーション状態から脱したものの,軍事費をはじめとする歳出増大による財政赤字の拡大,これに通貨供給量の抑制が加わって民間資金の逼迫を引き起こし金利の高騰を招いた。高金利は外国からの資金を引き寄せてドル高の原因となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

トランプとレーガンの政策が似ている点。

  1. 大型減税
  2. 国防費の大型増額
  3. 規制緩和による投資を抑制。

が似ているといわれています。

アメリカの財政収支

アメリカの経常収支

グラフで見てもわかるように、アメリカは慢性的に財政が赤字になっています。

先ほども言いましたが、現在トランプ大統領も、大型の軍事費増大や、メキシコに大きな壁を作りるなどの歳出増大を図っております。

さらに、近年のアメリカも高齢化社会を迎えており、社会保障費の増大が予想され、財政収支のさらなる悪化が懸念されています。

財政赤字を埋めるための米国債

財政赤字を埋めるために、米国債を大量に発行することで資金を調達しています。

そして、米国債を購入しているのは、日本や中国を筆頭にした外国や海外投資家になります。

最近の報道では、「中国が外貨準備を見直す当局者らが米国債の購入を減らすか停止することを勧告したと、事情に詳しい関係者が述べた。」と報道されている。

米国債の一番のお得意先が売りに転じるということで、最近米国債価格が下がり、金利が上昇し始めています。

もし、米国債が売れ残ってしまったら、米国政府の資金調達に支障が出るだけではなく、米国の金利上昇・財政危機の要因になりかねません。

米国債に代わる金融資産が見当たらない。

仮に、米国債が暴落するとします。

大事になるのは、米国債から流出したお金の行き場を考えることです。

米国債の市場規模は30兆ドル超の規模。そして、通貨の流通量のシェア率も米ドルが断トツになっています。

三井住友アセットマネジメントのホームページより

仮に米国債が暴落した際は、基軸通貨のドル建てで、世界でトップクラスの信用度の高い金融資産(米国債)から大量のお金が流出した後の中心的な「受け皿」が必要になります。

そして米国債を売って・他通貨資産がをする必要があります。

米国債の受け皿を考える。

  • ユーロ建て資産→ユーロの弱点、欠点が多い
  • 日本建てしさん→日本の財政状況もかなりわるい。超高齢化社会&人口減、等問題たくさんあり。
  • その他の通貨建て資産→市場規模が小さすぎる。
  • 仮想通貨→仮想通貨市場全体の時価総額は、2017年12月現在約70兆円(約7000憶ドル)規模が小さすぎる。

となり、ドルや米国債に代わる存在が今のところ見当たりません。

まとめ

今のところ、米国や米国債に代わる存在が見当たらないため、私は米国債暴落の可能性は低いと考えています。

なぜ資本主義を味方につけるには米国株なのか?‐ドル基軸通貨編‐

仮に暴落したとしても、一時的でしかなく、すぐに米国債の買戻しが入り、戻ると思います。

そして、アメリカが風邪を引けば他の国はインフルエンザになるくらいの致命傷を負っているはずです。

次は日本国債の暴落について考えてみようかと思います。

また会いましょう。

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